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たか子の@ねんきん

公務員の60歳からの再任用と各種社会保険加入について

振替加算の加算漏れがまだまだ見受けられます。

厚生年金基金の年金請求での注意点をいくつか掲げます。

メンタルヘルス不調と所得保障について

外国人の短期加入の場合の脱退一時金の請求方法です。

失踪した場合の年金受給はどうなるのでしょうか。

無年金者からの相談で、受給資格があることがわかりました。

年金の受給資格期間は世代によりさまざまです。無年金者は今一度の確認を!

H21.7 年金履歴整理表と年金制度の重要事項がアップされています。

H21.6 基礎年金の国庫負担が1/2へ引き上げられました

外国の年金事情も、日本と同様深刻です

年金受給に備え、60歳前後に確認しておきましょう

H21.5 無年金者の実態調査が発表されました。

H21.4「ねんきん定期便」がスタートしました。

昔話から、150万円入金

公務員の60歳からの再任用と各種社会保険加入について

 国家公務員の退職共済年金の報酬比例部分の支給開始年齢(以下、「開始年齢」という)が段階的に老齢厚生年金(男性)の開始年齢と同様に、平成25年度から65歳へ引き上げられます。
 そこで、60歳定年後に無収入期間が発生しないよう雇用と年金の接続を図る必要から、平成25年度以降退職する職員で、開始年齢に達するまでの間、再任用を希望する職員については、能力や実績に基づき再任用制度する制度が決定しました。
 地方公務員にも同様に希望する職員に再任用制度が設けられています。(自治体の実情により仕組みは多少異なる)。国家公務員の場合、勤務内容により、以下のような再任用制度となり、各種社会保険の適用が異なりますので、あらかじめ理解しておくことが望まれます。

■フルタイムとして再任用
・支給開始年齢に達するまでの間フルタイムで再任用
・再任用を希望しても、法に定める欠格事由などに該当する場合は、フルタイムの再任用はない
・共済組合の保険(年金・健康)に加入する
・雇用保険に加入する

■短時間勤務として再任用
・短時間勤務を希望した場合、短時間勤務で再任用
・1日又は1週の労働条件が通常職員の概ね3/4以上の場合、厚生年金と健康保険(協会けんぽ)加入
・より短時間勤務では年金加入は無く、任意継続組合員として短期給付の継続加入や国民健康保険の加入
・勤務時間に応じて雇用保険に加入する

■開始年齢後の再任用
・再任用の任期は、1年を超えない範囲内で更新可
・フルタイムの場合は、退職共済年金は原則支給停止
・短時間勤務で厚生年金加入の場合は、退職共済年金は在老調整有り。また、新たに老齢厚生年金が発生
・短時間勤務で年金加入がない場合は、退職共済年金は全額支給される
 平成27年10月には被用者年金制度が一元化されます。民間企業の担当者でも、上記のような再任用職員の各種社会保険や年金支給の扱い(地方公務員は自治体により異なる部分もある)など、元公務員などからの定年後再就職の相談が増えることが予想されます。


振替加算の加算漏れがまだまだ見受けられます。(H26.03.21)

年金記録問題以降、さまざまな新たな問題も噴出し、その処理と予防対策が行われています。そのひとつに、行政の事務処理誤りや請求者の手続漏れによると思われる「振替加算」の加算漏れ事例があります。どのような例か、一般的な夫と妻で解説します。

☆振替加算とは
@振替加算が加算される対象者(妻)は、大正5年4月2日〜昭和40年4月1日生まれの方。
A配偶者(夫)が、厚生年金や共済年金の加入期間が20年以上(その他の特例含む)の老齢厚生年金や退職共済年金、又は障害等級2級以上の障害厚生年金や障害共済年金の受給者であって、妻に対する「加給年金」が加算されていること。
B妻が65歳到達(妻65歳以降に夫がAの場合はそのとき)から、夫に加算していた加給年金が止まり、代わりに妻の老齢基礎年金に生年月日別の一定額が加算されるもので、それを「振替加算」といいます。

☆振替加算の手続き
ア.通常、妻が夫より年下の場合は、振替加算を加算するための手続きは必要ありません。
イ.妻が夫より年上のため、妻65歳に到達した後に夫が上記Aに該当する場合は、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」の提出が必要となっています。

☆振替加算の加算漏れ事例
1)妻80歳のとき元公務員の夫が死亡。遺族共済年金の請求手続きを進めると、もともとから妻に「振替加算」が加算されていないことが判明しました。。夫婦は上記ア.に該当する方のため、共済年金側と国民年金側の突合処理の不十分なことが原因のようでした。結果、妻の65歳まで遡及して、振替加算額の未払い分約300万円が支払われました。
2)妻85歳のとき6歳年下の夫が死亡。遺族厚生年金の請求手続きを進めると、妻に「振替加算」が加算されていないことが判明しました。上記イ.に該当する方のため、妻の手続漏れが原因となります。その場合の振替加算額の未払い分は時効により5年のみの遡及です。しかし、一般的に複雑な年金制度において、妻が手続きの必要性を認識できないこと、夫と妻は指導された手続きは行っていたことから、行政の指導不足を指摘し、それが認められた場合は、振替加算額の未払い分は全てについて遡及される判断となることもあります。行政の説明に不服な場合は、専門家に相談しましょう。

厚生年金基金の年金請求での注意点をいくつか掲げます。(H25.05.01)

厚生年金基金制度の見直し法案がこのたび閣議決定されました。基金制度の一律廃止は行われないようですが、基金新設は不可、一定の積立基準をクリアする基金は存続可、代行部分の積立割れ基金の特例解散等が盛り込まれています。今後の公布が待たれます。
さて、ここでは、基金加入がある方の、企業年金連合会への年金請求の注意点をいくつか挙げてみます。

■基金の年金(基本年金)は、どこから、何歳で受給するのでしょうか?
「中途脱退者(10年未満の加入、かつ55歳未満で退職)」「解散基金」の基金基本年金は「企業年金連合会」から受給します。請求時期は、当分の間、国の男女別老齢厚生年金の支給開始年齢と同じです。

■「中途脱退者」「解散基金」の基金の年金は企業年金連合から受給しますが、何か違いはありますか?
国の老齢厚生年金の受給資格は中途脱退者には不要、解散基金には必要、在職老齢年金のしくみや雇用保険との調整等は、前者に適用は無く、後者には適用がされます。つまり、解散基金は、国の老齢厚生年金と同様のしくみで、中途脱退者の年金は制限がありません。

■国の老齢厚生年金(報酬比例部分)は62歳から受給できますが、60歳で「繰上げ」請求したとき、基金の年金はどうなりますか?
国へ繰上げ請求したとき、基金の年金も繰上げ請求となります。ただし、国の年金は減額されますが、平成14年3月までの中途脱退者の基金の年金は減額されません。過去に60歳支給通知を行ったためです。。

■65歳開始の老齢厚生年金を68歳で「繰下げ」請求したとき、基金の年金はどうなりますか?
65歳から受給せず繰下げ請求を予定したときは、企業年金連合会にも繰下げの連絡が必要です。連絡せずに65歳からも受給し続けられると、後に判明し、企業年金連合会から、過払いによる返納通知が届きます。

■加入員証もなく、基金に加入していたかどうかわかりません。どのような方法でわかりますか?
基金の年金の請求漏れが問題となっています。よくわからない方は、基礎年金番号を手元に用意し、企業年金連合会(Tel:0570−02−2666)へ連絡をしてみましょう。

メンタルヘルス不調と所得保障について(H24.12.08)

メンタルヘルス不調が続いている方にとって、解雇や休職で収入がなくなることは大きな悩みで、それが回復の妨げとなることもあります。メンタル不調が長期に渡っているときは、障害年金等の請求が可能なこともありますので、事業主は労務管理において、以下のような取り扱いが望まれます。

■労働者災害補償保険からの休業補償等■
 労働者が、長時間残業や配置転換、パワハラ、セクハラ等の理由によるメンタルヘルス不調を訴え、業務上災害として労災保険からの治療費や休業補償の申請協力を求めてきた場合、業務上について疑いのないケースであれば、事業主としてはその証明に速やかに対応しなければなりません。
 しかし、はっきりと業務上であることがわからない場合には安易に応ずることなく、事業主と労働者の異なる言い分について専門家等を交えて対応を検討する必要があります。
 メンタルヘルス不調が業務上災害としての認定されるのは、厚生労働省が発表している指針「心理的負荷による精神障害の認定基準」により、労働基準監督署が必要な調査を実施して、認定を行いますが、認定されるまでは、数ヶ月かかる場合も少なくありません。
 業務上か否か不明であっても欠勤が続く場合、労働者が一番苦慮するのは、欠勤で収入が途絶えること、解雇を申し渡されるかも知れないという不安です。そのため、退職理由を巡ってのトラブルに発展しかねないリスクがあります。メンタル不調が障害という位置づけに異論もあるでしょうが、最近は厚労省もホームページや新聞等で広報を行っているとおり、労災保険の他に、国民年金や厚生年金制度には障害年金があることの理解も欠かせません。

■健康保険からの傷病手当金、年金制度からの障害年金■
 多くの企業では、「障害年金の請求は個人対応のものであり、業務上災害と違って事業主が証明する項目はないし、障害年金については教える義務もない」と思っているかも知れません。
 メンタル不調により仕事に就けない場合、多くはまず、健康保険へ「傷病手当金」を請求できます。1年6ヶ月間は受給可能です。その後に続く制度として、年金制度からの障害年金があります。一般的な障害年金の受給要件やその年金額について、事業主も雇用者も普段から理解をしておくことが望まれます。
 このように、各種の社会保険から受給可能な所得保障のしくみを助言しておくことで、トラブルを回避することができるかもしれません。

外国人の短期加入の場合の脱退一時金の請求方法です。(H23.12.10)

 外国人が日本の企業に勤務して厚生年金に加入しても、短期間の加入では日本の年金を受給できません。そのため、保険料掛け捨て防止の観点から、受給資格期間がなく、厚生年金の加入が6カ月以上あり、厚生年金の被保険者資格を喪失した場合、帰国して2年以内に「脱退一時金」の請求ができます。
 その額は、平均標準報酬額(再評価なし)×加入期間に応じた支給率、で計算されます。なお、以下が、標準報酬月額30万円で加入した場合の脱退一時金額の目安です。退職時の保険料率によっても違ってきます。
   ・6 〜11カ月 14万円
   ・12〜17カ月 28万円
   ・18〜23カ月 42万円
   ・24〜29カ月 56万円
   ・36カ月以上  84万円
 また、厚生年金の脱退一時金には20%の所得税が課税され、源泉徴収されますが、出国後5年以内の手続により、その所得税を還付してもらうこともできます。

■事例
韓国から日本企業に出向し厚生年金に標準報酬月額30万円で18月加入し、平成23年9月に韓国に帰国した場合
☆手続は、「脱退一時金請求書」にパスポートや本人の本国の振込口座のコピー、年金手帳の原本を添付して出国後2年以内に行わなければなりません。4〜5カ月後に「支給決定通知書」「送金通知書」が送付され、指定口座に入ります。その額42万円から所得税8.4万円が控除され手取り33.6万円です。
☆所得税の還付を受けるには、本人に代わって税務署から通知や還付金を受け取ったり確定申告を行う納税管理人(日本居住なら誰でもかまいません。)を定めなければなりません。本人が支給決定通知書を受取り次第、納税管理人にそれを送付し、本人に代わり還付申告してもらいます。まもなく納税管理人の口座に還付されますので、本人に送金します。
脱退一時金の請求には、出国前から請求書の入手、納税管理人を定めるなどの準備が必要です。特に納税管理人は、友人、職場の同僚など、信頼できる人が臨まれます。請求手続から所得税還付までトータルに専門家に依頼する方法が賢明かも知れません。

 


失踪した場合の年金受給はどうなるのでしょうか。(H23.12.10)

 行方不明者の生死が判らない場合、いつまでも生存者として扱うと、財産や身分関係を不安定にします。そこで家庭裁判所の「失踪宣告」により、死亡したとみなして、法律関係を確定させることができます。
 失踪宣告には、家出等で音信不通になってから7年経過したときの「普通失踪」と、船舶の沈没や航空機の墜落以外の危難により1年間生死不明なときの「特別失踪」があります。
普通失踪では、7年後の失踪宣告のときに死亡したとみなして遺族年金はそこから受給できます。
 また、特別失踪では、1年経過後に死亡したとみなしますので、1年遡及して遺族年金を受給できます。
 また、年金法には、船舶の沈没、航空機墜落の場合で現にそれらに乗っていたが生死が3カ月間判らない場合、死亡したがその時期がわからない場合は、その災害時に死亡したとみなす取扱いがあります。

以下は、「普通失踪」の場合の年金受給事例です。
●82歳の夫は8年前に家出、約1年近くは連絡がありましたが、消息が途絶えて7年経ち、この度、家裁から失踪宣告の確定通知を受けました。夫は預金通帳や印鑑、年金証書を机に置いて家出、夫の性格からして妻が経済的に困らないようにという配慮と感じました。妻の遺族年金、夫の老齢年金はどのような扱いになるのでしょうか。
○普通失踪では、7年後に死亡とみなされ、そこから遺族年金の請求ができます。また、生計維持関係は失踪時で判断、つまり、失踪するまで夫と同一住所に住み、妻の収入が850万円を下回っていましたので、生計維持要件は満たしていることになります。
○夫の老齢年金は失踪後7年間夫の口座に振り込まれ、妻はそこから生活上の公共料金を引き落とすなどの管理を続けてきました。夫は妻に対して共同生活の費用負担義務(民法760条)、日常家事費用は夫と妻の連帯責任(民法761条)があります。夫の年金から電気・ガス・水道料金等の生活費を支出することは当然です。
○死亡事実を隠しての不正受給とは違い、「行方不明」のみで年金受給権が消滅するものではありませんので、夫の年金の返納義務はないという判断になるでしょう。
 


無年金者からの相談で、受給資格があることがわかりました。(H22.02.05)

 無年金者の実態調査で、およそ3万人の方が受給資格期間(原則25〜10年)を満たしていながら、請求手続きを行っていないことがわかりました。
資格があることを知らなかった理由として「年金は出ないと思い相談しなかった」「過去に資格がないと言われた」「年金制度の知識がなかった」など。
一方、資格があることは知っていたが請求手続きをしていない理由として「支給開始年齢に達していない」「他の年金を受けている」「特に理由がない」などです。
その他、実加入期間は短くても、カラ期間を入れたり、今後70歳までの任意加入で資格がつく方も多いようです。無年金者には今一度の相談をお勧めします。
先日も、73歳の無年金者の女性からの相談です。年金加入が65ヵ月ほど不足していて、年金はもらえないと思っていました。そのため、詳細にお話を伺うと、若いときの短い結婚期間からカラ期間が数ヶ月、中卒後に働いていた会社の記録が20ヵ月ほどることがわかり、あと、離婚後に生活保護を受けていた期間を加えると、なんとか年金の受給資格があることがわかりました。
年金は実加入期間だけでなく、他の期間も加えて資格を見ていきますので、不足してもらえないと思いこまず、まずは年金事務所や専門家への相談をおすすめします。
 


年金の受給資格期間は世代によりさまざまです。無年金者は今一度の確認を!(H22.01.20)

年金は何年加入したら受給資格がつくのでしょうか。基本は25年ですが、この他、制度の制定当初から、経過的にさまざまな特例が適用されています。
以下にそれらの受給資格期間を挙げてみましょう。

【明治44年4月1日以前生まれ】
国民年金が施行されたときには既に高齢となっていましたので、任意加入で国民年金に5年又は10年加入(その他4年1カ月の特例あり)で国民年金の資格がつきました。また、厚生年金の加入だけでは10年あれば厚生年金の資格がつきました。

【明治44年4月2日生まれ〜大正5年4月1日生まれ】
国民年金に強制加入となった方です。昭和36年4月以降の期間が10年(国民年金や厚生年金の他カラ期間等を含む)で資格がつきました。また、国民年金の加入が5年1カ月〜7年1カ月(生年月日による)で国民年金の資格がつく特例もありました。

【大正5年4月2日生まれ〜大正15年4月1日生まれ】
旧法適用者です。昭和36年4月以降の期間が11〜20年(免除期間も含め国民年金や厚生年金の他カラ期間等を含む)あれば、また、厚生年金に中高齢(男40歳、女35歳)以降の加入が15年でも資格がつきました。

【大正15年4月2日生まれ〜昭和5年4月1日生まれ】
この方々から新法適用者です。基本的に公的年金加入(免除期間含む)の他カラ期間等を含め21〜24年あれば、また、経過的に厚生年金の加入で20年や中高齢(男40歳、女35歳)以降の加入で15年があれば資格がつく特例がありました。

【昭和5年4月1日生まれ〜昭和31年4月1日生まれ】
原則公的年金加入(免除含む)の他カラ期間等を含め25年必要ですが、前項と同じ特例(厚生年金20年、中高齢以降15〜20年)もあります。

【昭和31年4月2日以降生まれ】
基本的には、公的年金加入(免除期間含む)とカラ期間を含め25年が必要となり、その他の特例的な扱いは設定されていない世代です。

年金の加入期間が短いため、年金の受給資格がないと思いこみ、相談もしていない高齢の方も見受けられます。無年金者の方は今一度の確認をお勧めします。

 

H21.7 年金履歴整理表と年金制度の重要事項がアップされています。

社会保険庁のホームページに、国民一人一人が自身の職歴、転居歴、氏名変更等を思い出しながら記入することで、確実に年金記録の確認を行えるように、ご本人様用とご夫婦用の2種類の「私の履歴整理表」が掲載されました。また、同時に、履歴の参考として、過去の特例制度や改正内容を時系列的に示した、以下のような「年金制度の重要事項」も掲載されています。

● 国民年金の開始:
国民年金制度はS35.10にできましたが、保険料の納付はS36.4から始まりました。 なお、H14.4以降の第3号被保険者の届出は、配偶者の事業所経由で行うことになっております。

● 国民年金の特例納付:
1回目S45.7〜S47.6、2回目S49.1〜S50.12、3回目S53.7〜S55.6と、3回にわたり、過去の未納期間分の一括納付ができました。

● 第3号被保険者の扱い:
任意加入者だった、いわゆるサラリーマンの被扶養配偶者はS61.4から第3号被保険者として国民年金の強制加入となりました。しかし届け出ない方も少なくないなどの問題から、以下のように、過去の未届けへの救済がおこなわれました。
@H7.4〜H9.3の間での特例届出では、過去2年間についてのみ遡及して届出を受理し、それ以前については、未納期間とされました。
AH17.4以降の特例届出では、S61.4までの過去の未納期間についても届出を受理しました。

●学生の強制加入:
 任意加入者だった学生はH3.4より国民年金の強制加入とされました。ただし、納付が困難な方には申請により免除期間になり、H12.4からは免除ではなく、申請により納付猶予期間となりました。追納の遡及は10年前まで行うことができます。

●厚生年金への加入年齢引き上げ:
 65歳到達までだった厚生年金の加入は、H14.4から、70歳到達まで引き上げられました。つまり、S12.4.2以降生まれの方は、H14.4から再度、厚生年金の加入者とされています。

以上を参考に、ご本人の履歴等を今一度確認してみませんか。(2009.07)


H21.6 基礎年金の国庫負担が1/2へ引き上げられました。

 基礎年金への国庫負担を3分の1から2分の1へ引き上げる改正法が6月26日施行、平成21年4月1日に遡り実施されることになりました。この改正法は、基礎年金の国庫負担割合を平成21、22年度は財政投融資特別会計から一般会計へ特例的に繰入して財源を確保、それ以降は、税制の抜本的な改革で恒久的に安定財源の確保を図ることを内容としています。
これに伴い、平成21年度以降の免除期間にかかる老齢基礎年金の計算方法が変わります。全額免除期間は2分の1,4分の3免除では8分の5,半額免除は4分の3、4分の1免除では8分の7として計算しますので、いずれも年金額は引き上がることになります。(2009.06)


外国の年金事情も、日本と同様深刻です

 新聞等に「欧米、企業年金の赤字深刻」のように、株安や不動産価格下落を背景に欧米の企業年金の赤字問題が深刻化し、年金給付のカットを伝えています。
ところで、欧米諸国でも老後の所得保障は年金三本柱(公的年金、企業年金、私的年金)が原則です。どの柱に比重をおくかはその国の歴史的経緯・社会構造により異なりますが、いずれも改革が急務と思われます。
各国の公的年金の概要と企業年金や私的年金との役割を比較してみましょう。

☆日本
 公的年金は基礎年金と報酬比例部分の2階建て構造で所得代替率は59%と中位でモデル世帯の受給額は約23万円、支給開始は今後65歳へ。

☆スウェーデン
 報酬比例による2階建て構造、仮想積立による賦課方式が特徴、代替率は約68%と高く、低所得者には最低保障年金が保証され、原則65歳の支給開始が61歳から自由に開始可能。

☆ドイツ
 報酬比例による1階建て年金、業種毎に分立した制度が特徴で代替率は約72%、支給開始は今後67歳へ、社会保険制度によるしくみが確立。

☆イギリス
 日本と同様に定額と報酬比例の2階建て構造で所得代替率は約47%と低い、支給開始年齢は65歳から今後は68歳へ移行予定、公的年金の縮小により企業年金や私的年金への加入を推進中。

☆フランス
 報酬比例の1階部分と、強制加入の補足年金(実質企業年金)との2階建て構造、所得代替率は約68%と高く、早期退職促進のため65歳から60歳へ支給開始年齢を早めた経緯がある。

☆アメリカ
 報酬例年金のみの1階建て構造、所得代替率は51%と低く、自己責任によるところが大きい。支給開始年齢は65歳から67歳へ移行予定。

以上、公的年金の比重が大きいのがドイツ、フランス、スウェーデン、小さいのがイギリスとアメリカである。
また、企業年金実施が任意なのがイギリスやドイツ、実質強制なのがスウェーデンやフランスである。イギリスは企業年金や私的年金の比重を上げ、公的年金を縮小する方向にあります。また、各国共、無年金者や低年金者には各種の最低保証のしくみを用意する傾向が見られます。(2009.06)


年金受給に備え、60歳前後に確認しておきましょう

 60歳は人生の節目、定年後に、再雇用あり、退職あり、新たな仕事を始めたりなどさまざまでしょうが、引き続き確かな生活を続けるには、年金、雇用保険、健康保険、税金等の正確な情報を見落としてはなりません。以下にそのポイントを掲げます。

☆60歳前に確認したいこと
@退職後の受給額はもちろん在職中の年金支給、長期加入(44年以上)や障害者特例の適用の有無等は必ず60歳前に確認しておきましょう。
A60歳からの身の振り方を決めましょう。会社から再雇用の提案があった場合、健康が万全であれば、それが一番と思います。なぜなら、給与が減額される場合でも、年金額と高年齢雇用継続給付金を合わせ、60歳前と遜色ない所得確保が可能なときもあるからです。そのためには、さまざまな給与額による、年間収入のシミュレーションが有効です。

☆60歳になったときに行うこと
@退職しても、再雇用されても、60歳になったら年金の請求手続は済ませましょう。現在は、60歳になる3カ月前に請求書用紙が送付されます。
A年金履歴に、厚生年金基金の加入期間が1カ月でもある場合は、基金年金の請求手続も忘れずに行いましょう。住所変更等で、請求書用紙が到着しない方も少なくないという現実ですので、要注意です。

☆60歳(又は60歳以降)で退職したとき
@退職し失業給付(基本手当)を受給したときは年金が支給停止になります。そのときには、社会保険事務所へ、基本手当受給中を知らせる手続が必要です。
A配偶者が60歳前で主婦等のときは、国民年金の変更手続と保険料の納付が必要になります。
B健康保険の加入は、一般的にはそれまでと同じ保険に継続しての加入がベターです。その後は国民健康保険に変更となりますで、また手続が必要です。
C所得税については退職後、年末調整は行われませんので、各々で税務署に確定申告が必要です。ただし、収入が年金のみで所得税がかからない場合は、市町村役場へ住民税への確定申告が必要です。

以上、60歳前後の必要な手続等を事前に把握して、損のないよう、賢い選択をしていきましょう。(2009.05)


H21.5 無年金者の実態調査が発表されました。

 無年金者の実態調査で、およそ3万人の方が受給資格期間(原則25〜10年)を満たしていながら、請求手続きを行っていないことがわかりました。
資格があることを知らなかった理由として「年金は出ないと思い相談しなかった」「過去に資格がないと言われた」「年金制度の知識がなかった」など。一方、資格があることは知っていたが請求手続きをしていない理由として「支給開始年齢に達していない」「他の年金を受けている」「特に理由がない」などです。
その他、実加入期間は短くても、カラ期間を入れたり、今後70歳までの任意加入で資格がつく方も多数いるようです。無年金者には今一度の相談をお勧めします。(2009.05)


H21.4「ねんきん定期便」がスタートしました。

「ねんきん定期便」は被保険者一人ひとりに対して、 年金加入期間や保険料納付実績に応じた年金額など年金情報の確認と、年金制度を理解してもらうことを目的として、平成21年度より定期的(誕生月中に届く)に通知するものです。

●水色の封筒に入り、下記の内容が送付されます。

@年金加入期間(加入月数、納付月数)
A年金見込額
B保険料の納付額
C事業所の名称等の加入履歴
D厚生年金の加入時の標準報酬月額や賞与額
E国民年金の納付や未納別の状況

●また、同封書類は以下です。

F年金加入記録回答票(水色の用紙)又は
 年金加入記録回答表(白色の用紙)
G返信用封筒(薄緑色)

●送付される年齢区分は以下のようなります。

・平成21年度はすべての被保険者に@〜Eを通知既受給者でも被保険者であるときは通知
・平成22年度以降は、35歳、45歳、58歳の節目の被保険者に@〜Eを通知。
 また、この年齢以外の被保険者には毎年、@〜Bと直近1年分のDEについて通知

●年金見込額(A)の内容は以下のようになります。

・50歳未満の方には、これまでの加入実績に応じ年金見込額
・50歳以上の方には、作成時点に加入している制度に今後も加入したときの将来の年金見込額
・既受給者には、現在加入中であっても通知しない

●通知内容に変更等があったときは回答を返送しましょう。

・通知内容に「漏れ」や「誤り」があった場合は、Fに記入し、Gにて返送が必要
・通知内容に訂正がない場合は、返送は不要
  ・ただし、同封されていたFが水色の用紙だった場合は、訂正があってもなくても、返送が必要

  以上、「ねんきん特別便」と違い、かなりボリュームのある通知内容となっています。  この機会に、一人ひとりが年金の理解を深められて少しでも年金不安を払拭してもらいたいものです。(2009.04)


昔話から、150万円入金

12年前の話しです。顧問先の65歳になる個人自営の社長から老齢基礎年金の請求の手続依頼がありましたた。国民年金には真面目に全期間加入しており、満額の老齢基礎年金を受給できる方です。 私が、一応、若い頃にお勤めしたことがないかお尋ねしたところ、中卒後、東京に丁稚奉公で仕事を学んだということで話しが盛り上がりました。 厚生年金に加入もあり得ます。ご本人は若い頃なので、年金加入の記憶はすっかり飛んでいましたが、5カ所位の勤務歴の記憶を引っ張り出し、書面で調査依頼しました。1月以上かかりましたが、なんと75ヵ月もの厚生年金の加入期間が見つかりました。約30万円の老齢厚生年金です。年金の時効は5年、60歳から受給できる年金のため、ぎりぎり5年分全部もらうことができました。最初の振込は、老齢基礎年金の他に約150万円多いものでした。 今年77歳の社長さん、今でもこの年金の話しで盛り上がります。私が初めて行った請求もれ年金の仕事です。とにかく、会社に勤務したことがあれば、ご本人に年金加入の記憶がなくても、調査すべき、と学びました。 (2007.04)